苦汁を嘗め続けたバンタム級の強豪エマヌエル・ロドリゲス王座再奪取なるか、井上戦後の経歴まとめ
今回は、エマヌエル・ロドリゲス選手について書いていきたいと思います。
ロドリゲスは日本では井上尚弥とWBSSトーナメントで戦った選手として知られているかと思います。
井上に敗れはしたものの、いまだバンタム級トップ戦線の一人として王座再獲得が期待されています。
そんなロドリゲスですが、井上戦後からこれまでを見ていくと、不運というべきか興味深い経歴を送っています。
これからロドリゲスの身に降りかかった様々な出来事をまとめていきたいと思います。
- ルイス・ネリの体重超過で試合中止に
- ドネアとの試合が消滅→代替のガバリョ戦で疑惑の判定負け
- 試合開始直後の偶然のバッティングで無効試合に
- 不運を脱せたか、3年ぶりの勝利
- ラッセルとの再戦で力の差を見せつける
- 王座再奪還へ
ルイス・ネリの体重超過で試合中止に
井上戦から6か月後、復帰戦が決定しました。
対戦相手は、日本では悪童として知られる「ルイス・ネリ」。
WBC挑戦者決定戦として行われる予定でした。
しかし、ネリが体重超過を犯し、違約金を払って試合の交渉をしてきますがロドリゲス陣営がこれを拒否、この試合は中止になってしまいました。
ネリは以前にも体重超過を犯しており、ロドリゲスもその被害を負う形となりました。
ドネアとの試合が消滅→代替のガバリョ戦で疑惑の判定負け
2020年12月にWBC王者のウバーリとドネアが対戦する予定でしたが、ウバーリがコロナに感染したため、代わりにロドリゲスがドネアと王座決定戦を行うことに変更されました。
1年前に挑戦者決定戦をネリにフイにされたので、優先順位としてロドリゲスが挑戦することは何ら問題ないと思います。
しかし、またしてもうまく物事は進んでいきません。
今度はドネアがコロナに感染してしまい、試合が消滅。
結局、暫定王座決定戦に格下げとなり、ガバリョとその座を争うこととなりました。
何はともあれ、ロドリゲスにとっては井上戦後初めての試合がようやく実現しました。
実に1年7カ月もの月日が流れていました。
しかし、ロドリゲスの不運はこれで終わりません。
有効打の数で上回り、終始ペースを握っていたかと思われていましたが、判定はまさかの1-2スプリットデシジョンでガバリョの勝ち。
多くのメディアで「疑惑の判定」と報道されました。
王座決定戦で白羽の矢が立ったかと思いきや再び試合が消滅し代わりの試合で疑惑の判定という流れには言葉が出ませんでした。
試合開始直後の偶然のバッティングで無効試合に
度重なる試合消滅、疑惑の判定とはいえ公式記録では黒星が追加されてしまったロドリゲスでしたが、実力を評価されてか再び挑戦者決定戦のチャンスが訪れます。
2021年8月にゲーリー・アントニオ・ラッセルとWBA挑戦者決定戦が行われました。
ラッセルも期待の大きい若手のホープで、好試合を予感させる試合でした。
しかし、この試合でもロドリゲスの身に不運が襲い掛かります。
何と試合開始16秒で偶然のバッティングが発生しロドリゲスが試合続行不可能になり無効試合となってしまいました。
この時のロドリゲスは何かに取り憑かれているのではないかと思うほどの不運続きで本来の実力とは別の部分に振り回されてしまい、中々長いトンネルを抜け出せません。
不運を脱せたか、3年ぶりの勝利
ここまで悪夢を見せ続けられたロドリゲスでしたが、2022年に入りようやく光が差し込み始めます。
2022年3月、ロベルト・サンチェス・カントゥと対戦し、見事1RKO勝利を収めました。
最後の勝利からおよそ3年ぶりの勝利となりました。
ノンタイトル戦でトップ戦線にいる相手ではありませんでしたが、止まっていた時間が再び動き出した重要な一戦になったと思います。
ラッセルとの再戦で力の差を見せつける
2022年10月、1年前に偶然のバッティングで無効試合となった因縁の相手「ゲーリー・アントニオ・ラッセル」との再戦が行われました。
この試合も挑戦者決定戦という位置づけで行われ、両者にとって重要な一戦となりました。
ラッセルはこの試合まで全勝を続けており、予想ではラッセル有利の声も多くありました。
しかし、試合ではロドリゲスのカウンターが冴えわたり、ラッセルをぐらつかせる場面も多く見せ、8R終了間際にはダウンも奪いました。
最後は再びバッティングが起こり、10Rで試合終了してしまいますが、負傷判定の結果大差の判定勝利を収めました。
長く続いた不運から脱却し世界前哨戦を最高の形でクリアしました。
王座再奪還へ
挑戦者決定戦に勝利し、次戦はビンセント・アストロラビオとIBF王座決定戦を行うことが濃厚です。
遠回りはしましたが、再び世界戦線に戻ってきそうなロドリゲス。
リング誌のバンタム級ランキングで1位にランクされている通り、井上尚弥が去ったバンタム級の最前線の選手として活躍を期待したいです。
世界はもう目の前、2023年の新世界王者候補5人
今回は、全階級の中で世界王者に近く、今年2023年に王座獲得が予想される選手を5人ピックアップしていきたいと思います。
※世界王者経験がまだない選手を選んでいます。プロ戦績は2023年1月現在
ティム・チュー(スーパーウェルター級)
出身:オーストラリア
プロ戦績:21戦21勝(15KO)
元3団体統一世界王者のコンスタンチン・チューを父に持ち、その才能をしっかりと受け継いでいる選手です。
日本人との対戦経験もあり、当時アジア王者の井上岳志選手にダウン1度含む判定で勝利しています。
今年の1月に4団体統一王者のジャーメル・チャーロに挑戦することが決まっていましたが、チャーロの負傷で初の世界挑戦は流れてしまいました。
とはいえ、スーパーウェルター級のトップコンテンダーという位置づけは変わりなく、未知数な部分もありますが、強敵チャーロ相手でも面白い試合を展開できると思います。
追記
3月12日にWBO世界スーパーウェルター級暫定王座決定戦が行われ、9RTKOでトニー・ハリソンを下し暫定王座を獲得しました。
バージル・オルティス・ジュニア(ウェルター級)
出身:アメリカ合衆国
プロ戦績:19戦19勝(19KO)
次期スター候補にもたびたび名前が上がり、将来世界王者間違いなしとも言われている選手です。
現在まで全戦全勝全KOのパーフェクトレコードも保持しています。
今のウェルター級は、テレンス・クロフォードとエロール・スペンス・ジュニアの2強時代になっており、統一戦の関係と層の厚い階級ということもあり順番待ちの状態になっていますが、今年はおそらく世界戦が組まれるのではないかと思います。
同じ階級で共に次期スター候補とも言われている現IBF世界暫定王者のジャロン・エニスとウェルター級の一時代を築いていくと予想します。
マウリシオ・ララ(フェザー級)
出身:メキシコ
プロ戦績:28戦25勝(18KO)2敗1分
メキシカンスタイルの言葉が似あうオフェンス力の高い好戦的な選手です。
ジョシュ・ウォーリントンとの対戦で見事なKO勝ちを収め注目を集めました。
その後の経歴は、ウォーリントンの再戦で負傷引分、その後は世界戦が流れたりもしましたが、2度の試合で着実にKO勝利を収めています。
2月中旬には、昨年流れた世界初挑戦となるWBA王者のリー・ウッドとの試合が再セットされました。
ウッドも非常に体の強い選手で、この試合は激戦で面白い試合になると予想します。
追記
2月18日にWBA世界フェザー級タイトルマッチが行われ、王者リー・ウッドを7RTKOで下し王座獲得に成功しました。
ジェイソン・モロニー(バンタム級)
出身:オーストラリア
プロ戦績:27戦25勝(17KO)2敗
WBSS出場、井上尚弥選手との対戦もあり、日本のファンにも知られている選手かと思います。
すでに世界挑戦経験が2度ありますが、どちらとも王者に跳ね返されており、王座獲得には至っていません。
ただ、世界戦以外の試合では完勝を続けており、現在は2団体で世界ランク1位。
次戦3度目の世界挑戦が濃厚となっており、ノニト・ドネアとの試合も噂されています。
井上選手が全ての王座を返上し、群雄割拠となると予想されるバンタム級でトップ戦線の選手の一人であることは間違いありません。
重岡銀次朗(ミニマム級)
出身:日本
プロ戦績:9戦8勝(6KO)1NC
アマチュア時代からの実績もあり、現在23歳の日本の次期スター候補です。
今年1月、満を持して世界初挑戦の試合が行われました。
しかし、試合は王者バラダレスが偶然のバッティングで試合続行不可能になり、無効試合となってしまいました。
それまで試合を優位に進めていただけに何とも不本意な結果となりました。
次戦は、世界再挑戦に向けて話が進んでいると思われます。
重岡選手の実力なら確実に世界王座を獲れると思うので、ぜひとも実現してもらいたいです。
追記
4月16日にIBF世界ミニマム級暫定王座決定戦が行われ、9RTKOでレネ・マーク・クアルトを下し暫定王座を獲得しました。
あとがき
以上、2023年の新世界王者候補5人を紹介させていただきました。
完全に自分の主観で選んだので他の注目選手が抜けている可能性がありますがご了承ください。
戦前は「井上危うし」の声も、圧倒的な勝利で井上尚弥の評価を上げた試合3選
プロ戦績24戦24勝21KO、3階級制覇、4団体統一、PFP1位と数々の実績を積み上げてきた井上尚弥。
今回は、今の評価を得るまでのターニングポイントとなった試合を紹介していきたいと思います。
オマール・ナルバエス
2014年12月30日、WBOスーパーフライ級タイトルマッチの挑戦者として挑んだ試合でした。
この年井上はライトフライ級の世界王座を獲得しており、一気に2階級を上げての試合となりました。
しかもその相手は、フライ級の世界王座を16度防衛、当時保持していたスーパーフライ級世界王座も11度防衛、プロ・アマ通じて一度もダウン経験のない39歳のレジェンドボクサー「オマール・ナルバエス」。
戦前の予想では、ナルバエスの圧倒的な実績もあり「時期尚早」などといった不安視される声も少なくありませんでした。
しかし、ふたを開けてみると予想を大きく上回るパフォーマンスを見せました。
ダウン経験のないナルバエスを1R30秒足らずでガードの上からのパンチでなぎ倒すと、そこから2Rまでに計4度のダウンを奪います。
最後は、左ボディでダウンを奪うとナルバエスはそのまま立てず、10カウントで試合終了となりました。
この試合が世界に「モンスター・井上尚弥」の名を知らしめることとなりました。
エマヌエル・ロドリゲス
2019年5月18日、WBAレギュラー王者の井上とIBF王者のロドリゲスがWBSSの準決勝として相まみえた試合でした。
ロドリゲスは、この試合まで19戦19勝12KOの戦績を誇り、カウンターパンチャーとして評価の高かったこともあり、WBSSトーナメントで「事実上の決勝戦」とも言われた試合となりました。
1R目は、プレッシャーをかけていくロドリゲスに対し、ステップワークを駆使して対応していく井上というのが全体的な構図で、パンチの精度、ジャブの差し合い共にレベルの高い緊迫した立ち上がりとなりました。
しかし、この試合は次の2R目で早くも終わりを迎えます。
1R目で相手の力量を図った両者はお互い打ち合いに応じます。打ち勝ったのは井上、左フックで最初のダウンを奪います。何とか立ち上がったロドリゲスでしたが、次は顔をしかめてしまうほどのボディで2度のダウン。
レフェリーは試合を止め、井上は2RTKO勝利を収めました。
この試合でWBAとIBFの統一王者となり、WBSSトーナメントの決勝に駒を進めました。
ノニト・ドネア2
この試合は、2022年6月7日に3団体統一戦として行われました。
対戦相手は2019年にWBSS決勝で激闘を繰り広げた「ノニト・ドネア」。
さらに、この時のドネアは井上戦の敗戦後から世界王座に返り咲き、初防衛にも成功して勢いに乗っていました。
井上も「1戦目ではドネアの株を上げてしまった。今回は、圧倒的に勝ちたい。」と意気込みを見せ、完全復活を果たしたドネアとの再戦は大いに盛り上がりを見せました。
そしてこの試合も周りを驚愕させる試合となりました。
1R目お互いの調子の良さをうかがわせる動きを見せますが、ラウンド終了間際に井上の強烈な右カウンターがさく裂しダウンを奪います。
後にドネアはこのパンチは全く見えておらず、ダウンを喫したことさえ分からなかったと語っています。
上記のような多大なダメージを負ったドネアに対し、井上は2R目にさらにプレスを強めます。
最後は、ぐらついたドネアを攻め続け左フックでフィニッシュ。
宣言通り圧倒的な勝利を収め、日本人初の3団体統一王者となった井上。
この試合でリング誌のPFPランキング1位の称号も手にしました。
1戦目の激闘もあってか圧倒的な展開となった2戦目は大きな衝撃をもたらしました。
あとがき
以上、井上尚弥の評価を上げた試合3選を紹介させて頂きました。
現在、スーパーバンタム級転向を表明し、2団体統一王者のスティーブン・フルトンと対戦合意したとの情報も出ています。
この試合でもKO勝利をするようなことがあれば、間違いなく今まで以上の衝撃をもたらし評価の上がる試合となると思います。
今後もファンを楽しませてくれるパフォーマンスに期待したいです。
2023年プロボクシング世界戦結果
王座統一戦…2戦
タイトルマッチ…43戦 王者28勝 挑戦者13勝 1分 1NC
団体内統一戦…4戦
王座決定戦…13戦
暫定タイトルマッチ…8戦 王者6勝 挑戦者2勝
暫定王座決定戦…8戦
合計…78戦
・1月6日 IBF世界ミニマム級タイトルマッチ
ダニエル・バラダレスvs重岡銀次郎 3RNC
・1月6日 WBO世界ミニマム級タイトルマッチ
⚫️谷口将隆vsメルビン・ジェルサエム⚪️ 2RKO
⚪️ジャロン・エニスvsカレン・チュハジアン⚫️ 12R判定3-0
・1月7日 WBA世界ライト級タイトルマッチ
⚪️ジャーボンタ・デービスvsエクトル・ルイス・ガルシア⚫️ 8RTKO
・1月28日 WBA世界フライ級タイトルマッチ
⚪️アルテム・ダラキアンvsダビド・ヒメネス⚫️ 12R判定3-0
・1月28日 WBC/IBF/WBO世界ライトヘビー級タイトルマッチ
⚪️アルツール・ベテルビエフvsアンソニー・ヤード⚫️ 8RTKO
・2月3日 WBO世界スーパーフェザー級王座決定戦
⚪️エマヌエル・ナバレッテvsリアム・ウィルソン⚫️ 9RTKO
・2月11日 WBC世界スーパーフェザー級王座決定戦
⚫️レイ・バルガスvsオシャキー・フォスター⚪️ 12R判定0-3
⚫リー・ウッドvsマウリシオ・ララ⚪ 7RTKO
・2月25日 IBF世界スーパーライト級王座決定戦
⚫ヘレミアス・ポンセvsスブリアル・マティアス⚪ 5RTKO
・2月26日 WBC世界クルーザー級タイトルマッチ
⚫イルンガ・マカブvsバドゥ・ジャック⚪ 12RTKO
⚪️ブランドン・フィゲロアvsマーク・マグサヨ⚫️ 12R判定3ー0
・3月12日 WBO世界スーパーウェルター級暫定王座決定戦
⚪️ティム・チューvsトニー・ハリソン⚫️ 9RKO
・3月25日 WBO世界スーパーミドル級暫定タイトルマッチ
⚪️デビッド・ベナビデスvsケイレブ・プラント⚫️ 12R判定3ー0
・3月25日 WBO世界クルーザー級タイトルマッチ
⚪️ローレンス・オコリーvsデビッド・ライト⚫️ 12R判定3ー0
・4月1日 WBO世界フェザー級王座決定戦
⚪️ロベイシー・ラミレスvsアイザック・ドグボエ⚫️ 12R判定3ー0
⚪️井上拓真vsリボリオ・ソリス⚫️ 12R判定3ー0
・4月8日 WBAスーパー/WBC世界ライトフライ級タイトルマッチ
・4月8日 WBAスーパー/IBF世界スーパーバンタム級タイトルマッチ
⚫️ムロジョン・アフマダリエフvsマーロン・タパレス⚪️ 12R判定1ー2
・4月8日 WBO世界フライ級王座決定戦
⚪️ジェシー・ロドリゲスvsクリスチャン・ゴンサレス⚫️ 12R判定3ー0
・4月8日 WBC世界スーパーウェルター級暫定タイトルマッチ
⚫️セバスチャン・フンドラvsブライアン・メンドーサ⚪️ 7RKO
・4月15日 WBO世界ヘビー級暫定タイトルマッチ
⚫️ジョー・ジョイスvs張志磊⚪️ 6RTKO
⚪️重岡銀次朗vsレネ・マーク・クアルト⚫️ 9RTKO
⚪️重岡優大vsウィルフレド・メンデス⚫ 7RKO
・4月22日 IBF世界スーパーフェザー級タイトルマッチ
⚫シャフカッツ・ラヒモフvsジョー・コルディナ⚪ 12R判定1−2
⚪デビッド・モレルvsヤマグチ・ファルカン⚫ 1RTKO
・5月6日 WBC世界フライ級タイトルマッチ
⚪フリオ・セサール・マルティネスvsロナル・バティスタ⚫ 11RTKO
・5月6日 WBAスーパー/WBC/IBF/WBO世界スーパーミドル級タイトルマッチ
⚪サウル・アルバレスvsジョン・ライダー⚫ 12R判定3−0
・5月13日 WBO世界バンタム級王座決定戦
⚪ジェイソン・モロニーvsビンセント・アストロラビオ⚫ 12R判定2−0
・5月13日 WBO世界ミドル級タイトルマッチ
⚪ジャニベク・アリムハヌリvsスティーブン・バトラー⚫ 2RKO
⚪ローランド・ロメロvsイスマエル・バロッソ⚫ 9RTKO
・5月20日 WBO世界スーパーフライ級王座決定戦
⚪中谷潤人vsアンドリュー・モロニー⚫ 12RTKO
・5月20日 WBAスーパー/WBC/IBF/WBO世界ライト級タイトルマッチ
⚪デビン・ヘイニーvsワシル・ロマチェンコ⚫ 12R判定3−0
・5月27日 IBF世界フェザー級タイトルマッチ
⚪ルイス・アルベルト・ロペスvsマイケル・コンラン⚫ 5RKO
・5月27日 WBO世界クルーザー級タイトルマッチ
⚫ローレンス・オコリーvsクリス・ビラム・スミス⚪ 12R判定0−2
⚫マウリシオ・ララvsリー・ウッド⚪ 12R判定0−3
・5月27日 WBO世界ミニマム級タイトルマッチ
⚫メルビン・ジェルサエムvsオスカー・コリャゾ⚪ 7RTKO
・6月10日 IBF世界フライ級タイトルマッチ
⚪サニー・エドワーズvsアンドレス・カンポス⚫ 12R判定3−0
・6月10日 WBO世界スーパーライト級タイトルマッチ
⚫ジョシュ・テイラーvsテオフィモ・ロペス⚪ 12R判定0−3
・6月17日 WBC世界スーパーライト級タイトルマッチ
⚪レジス・プログレイスvsダニエリト・ソリージャ⚫ 12R判定2−1
・6月18日 WBO世界スーパーウェルター級暫定タイトルマッチ
⚪ティム・チューvsカルロス・オカンポ⚫ 1RKO
・6月24日 WBA世界スーパーフライ級タイトルマッチ
・6月24日 IBF世界スーパーフライ級タイトルマッチ
⚪フェルナンド・マルティネスvsジェイド・ボルネア⚫ 11RTKO
・6月24日 WBC世界ミドル級暫定タイトルマッチ
⚪カルロス・アダメスvsジュリアン・ウィリアムス⚫ 9RTKO
・6月28日 WBC世界ミニマム級タイトルマッチ
⚪パンヤ・ブラダブスリvs田中教仁⚫ 8RTKO
・7月1日 IBF世界ミドル級王座決定戦
⚫エスキバ・ファルカンvsビンセンツォ・グアルティエリ⚪ 12R判定0−3
・7月2日 IBF世界ライトフライ級タイトルマッチ
⚪シベナティ・ノンティンガvsレジー・スガノブ⚫ 12R判定3−0
・7月8日 IBF世界ウェルター級暫定タイトルマッチ
⚪ジャロン・エニスvsロイマン・ビリャ⚫ 10RTKO
・7月25日 WBO世界フェザー級タイトルマッチ
⚪ロベイシ・ラミレスvs清水聡⚫ 5RTKO
・7月25日 WBC/WBO世界スーパーバンタム級タイトルマッチ
・7月29日 WBC世界バンタム級王座決定戦
⚫ノニト・ドネアvsアレハンドロ・サンティアゴ⚪ 12R判定3−0
・7月29日 WBAスーパー/WBC/IBF/WBO世界ウェルター級王座統一戦
⚫エロール・スペンスJr.vsテレンス・クロフォード⚪ 9RTKO
・8月12日 IBF世界バンタム級王座決定戦
⚪エマヌエル・ロドリゲスvsメルビン・ロペス⚫ 12R判定3−0
・8月12日 WBO世界スーパーフェザー級タイトルマッチ
⚪エマヌエル・ナバレッテvsオスカル・バルデス⚫ 12R判定3−0
・8月26日 WBAスーパー/IBF/WBO世界ヘビー級王座統一戦
⚪オレクサンドル・ウシクvsダニエル・デュボア⚫ 9RTKO
・8月26日 WBO世界ミニマム級タイトルマッチ
⚪オスカー・コリャゾvsガレン・ディアガン⚫ 6RTKO
・9月15日 IBF世界フェザー級タイトルマッチ
⚪ルイス・アルベルト・ロペスvsジョエト・ゴンサレス⚫ 12R判定3−0
・9月18日 WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ
⚪中谷潤人vsアルヒ・コルテス⚫ 12R判定3−0
・9月18日 WBAスーパー/WBC世界ライトフライ級タイトルマッチ
⚪寺地拳四朗vsヘッキー・ブドラー⚫ 9RTKO
・9月23日 WBO世界ヘビー級暫定タイトルマッチ
⚪張志磊vsジョー・ジョイス⚫ 3RTKO
・9月30日 IBF世界クルーザー級タイトルマッチ
⚪ジェイ・オペタイアvsジョーダン・トンプソン⚫ 4RTKO
⚫ヨルデニス・ウガスvsマリオ・バリオス⚪ 12R判定0−3
・9月30日 WBAスーパー/WBC/IBF/WBO世界スーパーミドル級タイトルマッチ
⚪サウル・アルバレスvsジャーメル・チャーロ⚫ 12R判定3−0
・10月7日 IBF世界ミニマム級王座統一戦
⚫ダニエル・バラダレスvs重岡銀次朗⚪ 5RTKO
・10月7日 WBC世界ミニマム級王座統一戦
⚪リー・ウッドvsジョシュ・ウォーリントン
7RKO
・10月14日 IBF/WBO世界ミドル級王座統一戦
⚫ビンセンツォ・グアルティエリvsジャニベク・アリムハヌリ 6RTKO
・10月14日 WBO世界スーパーウェルター級タイトルマッチ
⚪ティム・チューvsブライアン・メンドーサ⚫ 12R判定3−0
⚪レネ・サンティアゴvsケビン・ビバス⚫ 12RKO
・10月28日 WBC世界スーパーフェザー級タイトルマッチ
⚪オシャキー・フォスターvsエドゥアルド・エルナンデス⚫ 12RTKO
・11月4日 IBF世界ライトフライ級タイトルマッチ
⚫シベナティ・ノンティンガvsアドリアン・クリエル⚪ 2RKO
・11月4日 IBF世界スーパーフェザー級タイトルマッチ
⚪ジョー・コルディナvsエドワード・バスケス⚫ 12R判定2−0
・11月16日 WBO世界スーパーフェザー級タイトルマッチ
△エマヌエル・ナバレッテvsロブソン・コンセイサン△ 12R判定1−0
・11月16日 WBC世界ライト級王座決定戦
⚪シャクール・スティーブンソンvsエドウィン・デ・ロス・サントス⚫ 12R判定3−0
・11月17日 WBC世界スーパーフライ級暫定王座決定戦
⚪カルロス・クアドラスvsペドロ・ゲバラ⚫ 12R判定2−1
⚫エクトル・ルイス・ガルシアvsレイモント・ローチ⚪ 12R判定1-2
・11月25日 IBF世界スーパーライト級タイトルマッチ
⚪スブリエル・マティアスvsショージャホン・エルガシェフ⚫ 5RTKO
・11月25日 WBC世界スーパーミドル級暫定タイトルマッチ
⚪デビッド・ベナビデスvsデメトリアス・アンドラーデ⚫ 6RTKO
井上尚弥はロマゴンとドネアのぶつかった壁を越えられるのか。2選手と類似するこれまでの実績とこれからの挑戦
2022年12月、バンタム級4団体統一王者という快挙を成し遂げた井上尚弥。
2023年1月現在、井上選手はその4団体のベルトを一気に返上し、一階級上のスーパーバンタム級に転級することを表明しました。
ここまで凄まじいパフォーマンスと実績を残し、新たな挑戦をしていく井上選手ですが、実はこれまでに井上選手と似た道をたどってきた選手が二人います。
その名は、「ローマン・ゴンサレス」と「ノニト・ドネア」。
いずれもいまだ現役を続けている軽量級レジェンド選手です。
今回は、井上選手と上記の2選手とのこれまでの実績の類似点をまとめていきたいと思います。
【目次】
井上尚弥のこれまでの実績
まず、後に実績を比較するために井上選手の実績をまとめていきたいと思います。
- プロボクシング戦績 24戦24勝(21KO)(2023年1月現在)
- 2014年4月(20歳) ライトフライ級世界王座獲得
- 2014年12月(21歳) スーパーフライ級世界王座獲得(2階級制覇)
- 2018年5月(25歳) バンタム級世界王座獲得(3階級制覇)
- 2019年11月(26歳) 王座統一戦で判定勝ちを収め、WBSSトーナメント優勝
- 2022年6月(29歳) 王座統一戦でKO勝ちを収め、日本人初の3団体統一王者になる。また、この試合によりリング誌のPFPランキング1位に選出。
- 2022年12月(29歳) 王座統一戦でKO勝ちを収め、史上9人目の4団体統一王座になる。
これをもとに、ロマゴンとドネアの実績もまとめ、比較していきたいと思います。
ローマン・ゴンサレス
まず一人目のレジェンド選手は、「ロマゴン」「チョコラティート」の愛称を持つ「ローマン・ゴンサレス」です。
この選手の実績をまとめてみましょう。
- プロボクシング戦績 55戦51勝(41KO)4敗(2023年1月現在)
- 2008年9月(21歳) ミニマム級世界王座獲得
- 2010年10月(23歳) ライトフライ級世界王座獲得(2階級制覇)
- 2014年9月(27歳) フライ級世界王座獲得(3階級制覇)
- 2015年9月(28歳) リング誌のPFPランキング1位に選出
- 2016年9月(29歳) スーパーフライ級世界王座獲得(4階級制覇)
- 2017年3月(29歳) 判定負けを喫し王座陥落、プロ初黒星
- 2017年9月(30歳) シーサケット・ソールンビサイと再戦するも、KO負けを喫する
- 2020年3月(32歳) スーパーフライ級世界王座返り咲き
- 2021年3月(33歳) 王座統一戦で判定負けを喫し王座陥落
ノニト・ドネア
二人目のレジェンド選手は、「フィリピーノフラッシュ」の愛称を持つ「ノニト・ドネア」です。
この選手の実績もまとめていきましょう。
- プロボクシング戦績 49戦42勝(28KO)7敗(2023年1月現在)
- 2007年7月(24歳) フライ級世界王座獲得
- 2009年9月(26歳) スーパーフライ級暫定世界王座獲得(2階級制覇)
- 2011年2月(28歳) バンタム級世界王座獲得(3階級制覇)
- 2012年2月(29歳) スーパーバンタム級世界王座獲得(4階級制覇)
- 2013年4月(30歳) 王座統一戦で判定負けを喫し王座陥落、世界戦初黒星
- 2014年5月(31歳) フェザー級世界王座獲得(5階級制覇)
- 2014年10月(32歳) 団体内王座統一戦でKO負けを喫し王座陥落
- 2015年12月(33歳) スーパーバンタム級世界王座返り咲き
- 2016年11月(33歳) 判定負けを喫し王座陥落
- 2018年11月(35歳) バンタム級世界王座返り咲き
- 2019年11月(36歳) 王座統一戦で判定負けを喫し王座陥落。WBSS準優勝。
- 2021年5月(38歳) バンタム級世界王座返り咲き
- 2022年6月(39歳) 王座統一戦でKO負けを喫し王座陥落
ロマゴン、ドネアともに「30歳」「4階級目」で黒星を喫している
3人の実績をまとめたところで次は比較をして共通点を見つけていこうと思います。
ロマゴン、ドネアの実績のところで青色で示した部分に注目してほしいのですが、二人とも「30歳」の時に「4階級目」のところでキャリアの分岐点ともいえる黒星を喫していることが分かります。
井上選手の現在地はどうでしょう。
まさに今、「30歳」になる年に「4階級目」となるスーパーバンタム級に挑戦しようとしています。
題名にもある「ロマゴンとドネアのぶつかった壁」とこれから井上選手が挑戦しようとしている事に「30歳」と「4階級目」という言葉がキーワードになっているのです。
ロマゴンもドネアも20代のうちに今の井上選手と遜色ない実績を積み上げたにもかかわらず、階級の壁に当たってしまいました。
果たして、モンスター・井上尚弥は階級の壁に打ち勝ち、今後も活躍を続けていくことができるのか注目していきたいです。